パラグアイ」カテゴリーアーカイブ

プチ・バカンス

ウシュアイアでひとまず自転車を降りた僕たちは、マドリッドに飛ぶまでの間、ブエノスアイレスからバックパッカーとしてイグアスの滝、パラグアイを回ることにした。
自転車に乗ってないので疲れることもあまりない。プチ・バカンスなんて勝手に名づけてバスに乗り込んだ。

2014年3月17日~18日 南米のパリ

ブエノスアイレスでは有名な日本人宿・上野山荘別館でのんびりさせてもらった。テラスの風通しも心地よいし、何よりもブエノスアイレスの中心地に立地しているため便がとてもよい。
18日の夜のバスでイグアスの滝、そしてパラグアイに行くことにして、バスターミナルまでチケットを買いにいった。

南米のバスのランクは大きく分けて二つ。
日本で言うところの4列シートバスがセミカマ、3列シートバスがカマという。今回は18時間近くバスに乗るので少しランクの高いカマにさせてもらった。どんなサービスなのか少し楽しみ。

世界で二番目に綺麗な本屋にも行ってみた。劇場を改造した本屋はとてもおしゃれで、ワクワク。
ブエノスアイレスの町は、久々に歩いていて楽しい町でした。

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(劇場を改造した本屋さんとブエノスアイレスの町並み)

2014年3月19日 プエルトイグアス到着
プエルトイグアスに向かうバス。カマシートはとてもゆったりして快適だった。食事も温かいメインがついたり、ワインがついていたりと至れり尽くせり。やはり南米では長距離に乗る時はカマシートにした方がいいかもしれない。

さて、そんなこんなで無事プエルトイグアスに到着した僕たち。
そのままイグアスの滝に行こうと思っていたのだけど、残念ながらこの日は雨。雨
の中、滝を見てもあまり面白くないだろうと思い、スケジュールを変更して先にパラグアイに入ることにした。

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(この日はあいにくの雨。)

ちょっとややこしいのだけど、このプエルトイグアス(アルゼンチン領)の隣には、ブラジル領ののフォス・ド・イグアスがあり、さらにその向かいにはパラグアイ領のシウダー・デル・エステがある。3つの国の国境が接している地域だ。

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(三カ国の国境が接している。右下がアルゼンチン、右上がブラジル、左がパラグアイ)

パラグアイ側のシウダー・デル・エステに向かうバスに乗りこんだ僕たち。バスはブラジル側のフォスドイグアスを経由してパラグアイに向かう。通常ブラジル入国にはビザが必要だけど、このバスはブラジル内で一切乗降をしないということで、ビザが必要ない。

ただひとつ面倒なのは、パラグアイの国境で入国スタンプをもらう必要があるのに、このバスは国境では止まってくれないのだ。あらかじめ運転手に伝えておくと、国境では止まってくれても、すぐに出発してしまって待ってくれない。パラグアイ側のシウダー・デル・エステのバスターミナルへ行くためには、国境から歩くか、タクシーを使うか、はたまた2時間待って次のバスに乗るしかないのだ。

僕たちは仕方なくタクシーを使った。(24000グアラニー)
このパラグアイの通貨グアラニーもいちいち額が大きいため慣れるまで時間がかかる。いろいろ大変でした。。

シウダー・デル・エステは街全体が免税地域になっていて、電化製品が安い。アルゼンチンやブラジルからも大挙して安い家電を買いにくる。国境に立ち並ぶビル。農業国のパラグアイに似つかわしくない光景だ。

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(何もない田舎に突如現れるビル群、びっくり)

バスターミナルからは、イグアス日本人移住地に行くための高速バスに乗った。高速バスは首都アスンシオン行きだけど、41km地点で降ろして欲しいと伝えれば大丈夫。相場は10000グアラニーだけど、この日はちょっとボラれて20000グアラニー払ってしまった。

ちなみにローカルバスでイグアス移住地に行くこともできる。値段は一緒。ローカルバス(ボンネットタイプの古いバス)はバスターミナルからは出発していないようだった。

このイグアス日本人移住地。1960年代、国策で移住政策がとられ、日本人が移住した土地だ。戦後の移住ということで、まだ一世の方も暮らしている。

このイグアス日本人移住地には、納豆や豆腐、ちくわなど日本の料理には欠かせない食べ物が売っている。日本食材に目がない僕たちは是非訪れてみたいと思っていた場所だった。

41km地点で降りるころ、辺りはすっかり日がくれてしまっていた。チリのビーニャ・デル・マルにいた頃は22時近くまで明るかったのに、今や19時くらいで暗くなってしまう。僕たちが南米で過ごした時間も気がつけば半年。そう思うと少し感慨深くなってしまう。

幹線道路から少し歩くと、ペンション園田(通称ペンソノ)という日本人宿がある。この場合、日本人宿というのはおかしいかもしれない。経営者もみんな日本人だし、イグアス移住地にくるのも日本人しかいないだろう。ある意味、本当に日本の宿と変わらない場所なのだから。パラグアイにあることを除けば。

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(この日は餃子パーティーでした)

このペンソノでは、汐見荘、コイアイケで会った山東夫妻と2度目の再会を果たした。到着日はちょうど餃子のシェア飯。久しぶりの焼き餃子に舌鼓を打つ。

いろいろあって疲れた日だったけど、とりあえず無事、屋根の下で眠ることができた。

2014年3月20日~21日 なぜか落ち着く場所
3月23日夜の夜行バスでブエノスアイレスに戻るため、自由な時間はあと4日。イグアスの滝もみたいので、イグアス移住地にもそう長くはいられない。22日、23日の2日間を観光にあてて、20日、21日の二日間はのんびりすることにした。

まずお昼に山東夫妻と向かったのは、移住地内にある福岡旅館。ここはその名の通り旅館が本業だけど、それ以上にうまい鍋焼きうどんを出してくれることで有名だ。

鍋焼きうどんがパアグアイで食べられる。このキーワードだけでどれくらい気持ちが高揚することか。。

日本語で日本人のおばさんに鍋焼きうどんを注文する。冷えた麦茶も出してくれた。おしぼりも。ここはもう完全に日本。

出てきた土鍋には熱々のうどんと卵、ネギ、かまぼこがのっている。(かまぼこなどの白身魚の練物は手に入れるのが難しい食材の一つだと思う。)
いりこだしがしっかり効いて、本当においしいうどん。いやー幸せだ。

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(福岡旅館の鍋焼きうどん。だしが効いていておいしい。)

たまたまこの食堂で書道教室があるらしく、移住者の方2人と話す機会に恵まれた。大変な苦労をし開拓した土地。それなのに明るく話をしてくださったことがとても印象的だった。

うどんを食べた後は、農協スーパーに買い出し。
イグアス農業協同組合(日本のJAの関連団体ではもちろんない)は、現地日本人の互助のために設立された組織だ。そのイグアス農協直営のスーパーがここだ。
一見、南米どこにでもあるスーパー。でも中に入ると並んでいるのは日本でお馴染みの食材だ。
里芋、ニラなど南米ではなかなか見かけない食材もある。
レジでは日本語でやりとり。
ここ最近聞かない「いらっしゃいませ」という日本語。この地で久しぶりに聞くことになった。

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(味噌や調味料が並ぶ農協スーパー)

もう一軒、小さな雑貨屋によってみた。
ここにもスーパーには売っていない食材、ちくわや冷凍ぎょうざ、などが売っていた。
おばちゃん同士が日本語で世間話を始める。
そんな微笑ましい時間が流れる、そんなイグアス移住地。

翌日、お昼に今度はラーメンを食べに行く。
南米でもよくインスタントラーメンは食べるし、日本食レストランがあればラーメンを食べたりしてみたこともある。でも、なかなか日本の味に匹敵するラーメンには出会わなかった。
土日のみ、普段はカラオケ屋として営業しているカラオケ・オカムラさんでラーメンを食べることができる。

その味は、、

うん、これはラーメンだ。日本の懐かしい中華そばの味。麺もスープも完璧。

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(久しぶりに食べた日本のラーメン。)

日本食を食べたり、ペンション園田でのんびりしたり、ゆったりした時間を過ごした僕達。
天候も回復してきたので、イグアスに向かうことを決め、この宿を離れることにした。

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(右上:イグアス日本語学校の学校だより)

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(左下:ペンション園田で飼っている純血の秋田県”小鉄” 右下:豆腐の移動販売。毎週金曜日回ってくる)


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やっぱりすごかった、イグアスの滝

2014年3月22日 ブラジルへ入国
朝早くバスに乗り込むため、早起きをした僕達。
宿のみんなは寝ていたけど、山東夫妻だけは見送ってくれた。
数日しか滞在しなかったパラグアイのイグアス移住地。
それなのに、なぜかとても別れ惜しい気持ちになってしまう。
やっぱり、この日本然としたこの土地に愛着がわいてしまったんだと思う。
後ろ髪をひかれる思いで、イグアス移住地を後にした。

バスは、1時間ほどでシウダー・デル・エステに到着。
ブラジル行きのバスに乗り換える。
ブラジル行きのバスは8500グアラニー。程なくして出発。
快調に町中を走っていると、大通りで突然止まってしまった。
乗客に「降りろ降りろ」と言っている。現地人も憮然とした表情で降りていく。
なんでも「先頭にバスが止まっているからそれに乗り換えてくれ」ということらしい。
しかしバスの列が長い。20台は止まっているんじゃないか、というほどずら~っと並ぶバス。
ようやく先頭のバスにつくも、運転手は足をハンドルの上に上げて新聞を読む始末。
一向に動き出す気配がない。仕方なく国境を目指して町中を歩く僕たち。

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(ブラジル側行きのバス車内)

途中、しびれをきらしたブラジル人の乗客が、「タクシーをチャーターしないか?」と誘ってくれた。
徒歩で国境を超えると、僕たちはブラジルのビザを持っていないため、トラブルになる可能性があると判断。タクシーに乗ることにした。

ブラジル側の国境は、係官が車内をじっと見つめ、怪しい乗客が乗った車を止めて検査するというスタイル。僕たちはすぐ前のワゴンが止められて、係員がそちらへ気を取られてる隙に抜けられたので、幸いだった。(一応、ブラジルのイグアスの滝へ日帰りで行く場合に限ってはノービザでも構わないことになっているらしいのだが、追い返された例もあるので恣意的な運用がされているかもしれない。ただフルフェイスのヘルメットを被ったバイクタクシーはノーチェックでじゃんじゃん通っているので、チェックは甘い。)

ブラジル側イグアスの滝へは、近距離バスターミナルからバスがあるのだけど、このタクシーは長距離バスターミナルに向かってしまったため、再びバスで戻るという手間が増えてしまった。

無事、バスターミナルに到着。英語でわかりやすく「イグアスの滝行きバス(国立公園行き)」と書いてあるので迷うことはなかった。かかりのおじさんに「いくら?」と聞くと、「どこからきた?」なんて質問をされてしまった。「日本だよ」と答えると、「日本人はバス代がかからない」なんてことを言われ、実際、無料で乗れてしまった。(帰りはバス代がかかった。たしか片道一人2.5レアル。)

さて、ようやく国立公園到着。
入園料とバス代がセットになったチケットを買ってバスに乗り込む。バスはボルボ製の連接バスでとてもきれい。やっぱりブラジルは南米の中でも多少発展しているみたい。

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(左:近距離バスターミナルの看板。イグアスの滝と書いてある。右:国立公園のチケット売り場)

ジャングルの中を進むこと数分。イグアスの滝が見えてきた。
「おお~~。」普段あまり感動しない僕も、イグアスの滝の迫力に久しぶりにドキドキ。
流れ落ちる膨大な量の泥水に地球の力を感じる。

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ブラジル側のイグアスの滝は、アルゼンチン側と違い、イグアスの滝の全景が見られることで有名だ。
途中、コンクリート製の橋が滝のすぐそばまで伸びているのだけど、橋の真下は垂直に落ちる滝で、横からは滝の水しぶきが飛んでくる、なんてすさまじい迫力の橋だった。

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(とにかくすごい水量。四方八方から水しぶきが飛んでくるのでカメラの防水対策は徹底的に!)

1時間位観光して、シウダー・デル・エステへ戻る。

実は、ここで大問題が発生。
イグアス移住地に大事なレインウェアを忘れてきてしまったのだ。買えば200ドル近くする高価な品。
シウダー・デル・エステからイグアス移住地まではわずか1時間程度。明日のアルゼンチン観光を少し短くして、今日はイグアス移住地に帰ることにした。

今朝、後ろ髪をひかれる思いで出てきたイグアス移住地。
帰ってきてしまいました・・・。

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そしてその日の献立はなんとバーベキュー。これは戻らないと行けないでしょ。
というわけで、居心地の良いイグアス移住地でもう一泊。


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毎分39億トン

2014年3月23日 アルゼンチン側のイグアスの滝
結局戻ってきてしまったイグアス移住地。今度こそ本当にお別れ。
2日続けて起きて見送ってくれた山東ご夫妻には本当に感謝。また台湾で!

今日はアルゼンチン側のイグアスの滝を見る。
入国時と同じようにアルゼンチン~パラグアイのバスはパラグアイ側の国境には止まらないため、バスターミナルへ直接向かわず、途中で降りてタクシーを捕まえ、パラグアイ国境に寄ってスタンプを押してもらってからバスターミナルへ向かってもらった。あーめんどくさい。国境で5分位待ってくれればいいのに。

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(アルゼンチンへ向かうバス)

アルゼンチンへ向かうバスはスムーズに出発。無事何事も無くアルゼンチン側のプエルトイグアスに帰ってきました。4日ぶり。
このバスターミナルでイグアスの滝行きのバスに乗り換えることに。20分間隔で出発している。

バスに乗り込むと、たまたま前に座っていた2人の女性が日本人。4人でイグアスの滝観光をすることに。

入場料を払って園内を回る列車に乗る。駅はいくつかあるのだけど、僕たちは一番最初に最大の見所”悪魔の喉笛”を見るため、一番奥の駅で降りた。
川の上の歩道を歩くこと数分。見えてきた、昨日ブラジル側からみた悪魔の喉笛だ。

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(水が吸い込まれていく)

大量、なんて言葉では到底言い表せない水の量、膨大とか莫大とか無限とか、もうそれ以上に巨大な形容詞を使いたいくらい。地響きとともに水が流れ込んでいる。その流量は毎分39億トンらしい。

ブラジル側につづいて感動してしまった僕。「なかなか最近感動できない。」と思っていたのだけど、本当にすごいものに出くわした時はまだ感動する気持ちを持っていたようで、少し安心した。

しばし見とれてしまったイグアスの滝・悪魔の喉笛。

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(子供を肩車しないように、との看板。普通やらないけど、南米の人ならやってしまいかねない・・・)

この日の夜のバスでブエノスアイレスへ帰る予定にしていた僕たちは、あまり時間がなく、滝に突っ込むボートクルーズなどのツアーには参加できなかった。それでも、このアルゼンチン側のイグアスの滝に来られて本当に良かったと思う。ブラジル側も良かった。でもアルゼンチン側が好きです。

さて、バスターミナルに戻って、ブエノスアイレスへ帰るバスに乗る。乗車時間は18時間。あっという間にブエノスアイレスに到着してしまった。久しぶりのブエノスアイレス。盗難が相変わらず多いらしいので、気をつけながら上野山荘に戻る。

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(懐かしい上野山荘別館)


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