宝石の道7日目 2013年11月24日
散々だった昨日。
昨日のディナーとホットシャワーと、なにより大量の水を補給して、気持ちもずいぶん楽になった。
朝ごはんはシリアル。粉ミルクをお湯で溶かしてシリアルを入れる。この粉ミルクとシリアルの朝食、とても簡単なのだけど、如何せん腹持ちが悪い。すぐにお腹が空いてしまう。
出発の準備をしていると、昨日案内してくれたスタッフさんが様子を見に来てくれた。なんでもデサユーノ(朝食)を無料で振る舞ってくれるとのこと!
え~、無料で?と聞き返すも、Si!とはっきり答えてくれた!
ウキウキしながら食堂へ。朝食はバイキング形式。もちろん日本のホテルのように様々な料理が並べられているわけではないけど、僕たちにとってはすべてご馳走だ。
焼きたてのパンとコーヒー、ヨーグルトに目玉焼き。この先のことを考えると、このホテルから出発したくなくなってしまう・・・
とばかり言ってもいられない。また午後になれば強風に曝されてしまう。スタッフさんにしっかりお礼を言って、8時半に出発。
ホテルからしばらくは自走可能だったものの、地面の色が変わるととたんに漕げなくなってしまう。
(写真:ビクーニャの群れが現れる。走れる轍を探して右往左往。地質によって地面の色がまるで違う)
この頃になると、ようやく路面状況を判別できるようになってきた。一見すべてが同じ地質のようにみえるが実は細かくわかれている。石とミックスの砂地、肌色の砂地、赤褐色の砂地、いろんな地質が縞模様のように現れる。地質が変わると、その時点から走れなくなったり、あるいは走れるようになったりと、直接影響を受ける。
3時間ほど自転車を押すと、無数にある轍の中に一つしっかりと踏み固められた大きな轍が現れる。この轍はところどころ深砂で埋もれるものの80%以上は自走可能、僕たちは”高速道路”と呼んでいた。(といっても、時速1~2㎞が時速10kmに変わるだけだけど笑 走行距離は圧倒的に稼げるようになった。)
その轍を走っていると、後ろから来たランクルが一台止まった。
ランクルが止まるのは大抵、僕たちの写真を撮るため。僕たちはこの”無断で写真を撮られる”ということがすごく嫌だった。「僕たちはサファリの動物じゃない。ヨーロッパ人を楽しませるアトラクションとしてここを自転車で走っているのではない」といつも思っていた。2日前には、写真を撮るために止まったランクルに気を取られ、彩が転倒してしまうこともあった。宝石の道では、全神経を使って常にバランスをとる必要がある。少しでも気を取られると、転んでしまうこともあるのだ。そのランクルは結局、謝りもせず、その場を走り去ってしまった。
といった経緯もあり、ランクルにはあまりいい感情を抱いてなかったのだが、このランクルの屋根には一台の自転車が。
どうやらこの区間が過酷なことを知り、ランクルをチャーターして通りすぎようとしている自転車旅行者のようだ。女性のドイツ人とオランダ人の2人。
この区間がとても大変なことを知っていて、何か食料や水は必要ないか?と心から心配してくれていた。
水を2Lもらい、連絡先を交換して別れた。中にはこうやって僕たちのことを心配してくれたヨーロピアンもいた。
感謝の気持ちに包まれつつ、先を急ぐ。
明日には次の目的地、コロナダ湖に到着したい。
何とか、風を遮ることができる場所を見つけ、就寝。
【走行データ】
水平距離 | 21.75km | 沿面距離 | 21.95km |
経過時間 | 10時間26分05秒 | 移動時間 | 5時間40分20秒 |
全体平均速度 | 2.10km/h | 移動平均速度 | 3.87km/h |
最高速度 | 13.22km/h | 昇降量合計 | 376m |
総上昇量 | 263m | 総下降量 | 113m |
最高高度 | 4610m | 最低高度 | 4428m |
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