チリのテムコからアルゼンチンまでの道のり、1月3日~7日までの出来事です。
2014年1月3日 北海道みたい
僕たちは20泊もお世話になった汐見荘を後にして、700㎞南のテムコへバスで向かう。
テムコには朝7時頃到着。自転車を組み立て、スーパーで買い物をし、アルゼンチン国境を目指す。
アルゼンチンの最初の町フニン・デ・ロス・アンデスへは、まずチリ側のリゾート地ビジャリカ、そしてプコンを経由する必要がある。このチリ側のリゾート地は湖水地方と呼ばれるエリア。風光明媚な景色が続くことで有名だ。
まずビジャリカへ走りだす。辺りは日本の北海道を思わせるようなそんな風景が広がっている。牧草地が広がり、ポプラ並木が道沿いに立ち並び、遠くには綺麗な円錐形の火山がそびえる。
そんな道を進むこと50㎞、今日は野宿することにして、空き地が広そうな道路沿いの家にキャンプを頼み込んでみた。敷地内にテントは張らせてくれなかったけど、空き地を教えてくれ、水は自由に使っていいと言ってくれた。夕ご飯は日本から送ってもらったフリーズドライのカレー。やっぱり日本クオリティは素晴らしい。
2014年1月4日 素敵なヨットハーバー
野宿地を後にして、一路ビジャリカを目指す。ほどなくしてビジャリカに到着。湖畔沿いの観光地でにぎわいがあった。僕たちはそのまま湖畔沿いの道を通って、次の町プコンを目指す。テムコからビジャリカまでは路側帯がよく整備されていたのに、ビジャリカからプコンはほとんど路側帯がなくて苦労してしまった。30㎞ほど走ってプコンの町に到着。ビジャリカよりは小さいものの、こちらも一大観光地。メインストリートには海外ブランドのブティックが並んでいる。
特に湖畔のヨットハーバーの雰囲気が素敵で、二人でしばしのんびりしてしまった。
この日はホテルもあったけど、天気がよいので敢えてキャンプ。明日からの国境越えに備えスーパーで補給を済ます。
2014年1月5日 最高のキャンプ場
国境までは70㎞程度。でも途中には1200mの峠もある。上りもきついので、今日はその手前、できるところまで進んでキャンプをすることに。
スタートして数㎞。彩の後輪タイヤがまさかのパンク。今まで2000㎞近く一回もパンクをしなかったのに、ついにパンクしてしまった。タイヤを外して調べてみると、鋭いガラス片がタイヤを貫通してチューブを傷つけていた。教科書通りにゴムパッチで修理。再スタート。
30㎞ほど走るとチリ側の最後の町クラレウエにつく。この町で最後の補給を済ませて、国境へ再び走りだす。
17時、道沿いにキャンプ場の文字を見つけ、キャンプをすることに。このキャンプ場、道からはよく見えなかったのだけど、川沿いの素敵なキャンプ場だった。一番いいロケーションのキャンプサイトにテントを張って、就寝。
2014年1月6日 いよいよアルゼンチンへ
素敵なキャンプ場を後に国境へと向かう。少し走ると道は上り勾配に。途中から未舗装。未舗装になってから特に勾配がきつく、自転車を押し続けることになる。うーん、きつい。そんなときに限ってパタゴニア名物のアブが3~4匹も頭の周りをブーンと飛んでいる。追い払いながら、自転車を押して…。結構、大変だ。
チリの国境についたのは16時近く。何事も無く出国手続きを済ませ、アルゼンチンへ向かう。アルゼンチンの事務所も特に問題なし。あっさり4カ国目のアルゼンチンに入国した。
アルゼンチンに入ると道は下り坂。辺りの景色もいままでとはまるで違う。緑が少なくて、どこか寂しげな風景が広がっている。相変わらずの未舗装でスピードもでないのだけど、追い風が囃し立ててくる。
17時頃、ようやくアルゼンチン側の国立公園区域を抜け、道が舗装になった。と、そこからがすごい。追い風と下り坂の相乗効果。舗装路も綺麗に整備されているため、スピードがどんどん伸びていく。恐ろしや40㎞/h平均、時々50㎞以上のスピードで一気にアルゼンチンのパンパ(大平原)を駆け抜けていく。
最終的にアルゼンチン側の最初の町、フニンまではつかなかったものの、国境からなんと60㎞以上も走ってしまった。上り坂と未舗装路、下り坂と舗装を一日でたっぷり味わった一日になった。今日のキャンプも野宿。ちょうどいい川沿いのキャンプ地を見つけた。枯れ木がたくさん落ちていたので、焚き火をしてみる。長い一日だった。
2014年1月7日 ステーキ食べるぞ!
野宿地を後にして、一路フニンへ。距離は23㎞程度。余裕でペダルを漕いでいると、目の前にコオロギの大群がいるのを見つけた。
穀倉地帯なので仕方ないのだけど、道端を走るとバタバタとコオロギが飛び立つ。彼らがこちらを避けてくれればよいのだけど、飛び立ったくせに特に避ける気はないようで、そのままこちらに突っ込んでくる。バシバシとコオロギが全身にあたる。女の子なら卒倒してしまいそうな状況だ。道路には高速で走る車に当たって潰されたコオロギの死骸があちらこちらに見える。いやー、大変だった…。
そんなこんなでフニンに到着。小さい田舎町を想像していたら、いやはやどうして大きい町だ。軍隊の駐屯地もある。付近のトレッキングのベースにもなっているみたい。ツーリストインフォメーションで最安の宿を聞く。もちろん、アルゼンチン名物、パリージャ(ステーキ屋)も聞く。パリージャは、ツーリストインフォメーションの向かいにある店がベストのようだ。楽しみにして宿に投宿。そしていよいよステーキ屋に。
アルゼンチンは牛肉が特に安く、名物料理はズバリ「ステーキ」の国だ。日本ではステーキと聞くとちょっと高級なイメージだけど、(実際、スーパーでも1枚200gで1000円近くすることもある。)アルゼンチンではサーロインがスーパーで1kg830円。1kgで830円だ(!)。みな当たり前のようにごそっと牛肉を買っていく。
僕たちは、このステーキを楽しみに峠を越え、コオロギと闘いながら頑張ってきた。
さてステーキ屋。町一番おすすめの店の名に違わず、立派な内装をしている。ウェイター、ウェイトレスさんもビシッと制服を着込んで高級レストランの風格。「いやーこれは高いかも…。」と恐る恐るメニューを開くと、サーロインステーキ500gで1000円と値が書いてあった。とりあえず二人で1枚を食べてみようと注文する。
数分後出てきたステーキはちょっと驚くくらいの大きさ。とても一人では食べきれない大きさだ。焼き加減もちょうどよく、盛り付けも綺麗で、ホントに1000円?と疑ってしまうくらい。ワインも頼んで二人で1250円だった。うーん、アルゼンチン。。
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