再びチリに戻る。

※前回の日記、日付が新しい日記を先に公開してしまいました。失礼しました。この日記の次が前回投稿した日記です。

2014年1月16日 チリはプエルトモンを目指す

3日間滞在したバリローチェを後にして、再度チリを目指す。バリローチェからチリ側のプエルトモンへ抜ける一般的なルートは、先日通過したアンゴストゥーラ村を経由する道だ。

だけど僕たちは、すでに走ってきた道を100㎞も戻るほど勇気があるわけではないので、比較的日本人が利用しないニッチなルートを選ぶことにした。このバリローチェからプエルトモンまでを最短で抜ける道。途中3つの湖を船で渡りプエルトモンへ抜けるルートだ。

まずは1つ目の湖、船が出発する港ジャオジャオへ向かわなくてはならない。出港時刻は朝の8時。バリローチェからジャオジャオまでは26㎞程度あるため、余裕をみて朝5時にスタートしなくてはならない。今回の旅、始まって以来の早朝スタートだ。

早朝、まだ真っ暗なうちから準備をする。テールライトを準備して、久々に蛍光ベストを着用。いざ出発。

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(バリローチェの町が朝焼けに浮かび、とっても幻想的だった。)

さて予定通り7時半頃、ジャオジャオ港に到着する。
チケットを見せると、「はい~OKOK」とあっさり。
いつも公共交通機関に自転車を載せるときは、「何が起こるかわからない」と、身構えハラハラドキドキしているので、拍子抜けしてしまった。

自転車を船の先頭にくくりつけ、船に乗り込む。観光船で、船長とよばれるおじさんが左右に見える滝や山の解説をしていた…。船の操舵には関係ないみたい。

船内から壮大な景色を眺め、ちょっとコーヒーなど飲んでみる。久々にのんびりした船旅…と思ったのも束の間。2時間ほどのクルーズで一つ目の湖は終わってしまった。自転車を下ろし、荷物はトラックに積んでもらって、次の港へは自走する。(他の観光客はバス)わずか2㎞ほどの道のりなので、すぐに到着して、また別の船に乗る。

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(ジャオジャオに停泊中の渡し船。(これに乗ったわけではありません。)

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二つ目の湖はすぐに終わり、2回目の自走だ。

この自走区間は、チリ・アルゼンチンの国境を跨ぎ、なんと27kmもある。次の港を船が出港するのは16時。5時間で未舗装の峠を含む27kmを走らなくてはならない。実際、距離は大したことがないのだけど、16時に絶対、港に着かなくてはならない、というプレッシャーがのしかかる。荷物はいつもどおりトラックで運んでもらい、貴重品と食料だけもって出発する。

パタゴニアの原生林の中、自転車は突き進む。3時間ほどかけて、無事、港に到着。ジュースを買って一休み。

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16時出発のクルーズ船は、2時間ほどかけて湖を進む。バックパッカーたちが「チリ富士」と呼ぶオソルノ山が徐々に近づいてくる。早朝スタートで疲れ気味の彩はここで睡魔に勝てず爆睡。ほどなくしてチリ側の港ペトロウエに到着。ここからキャンプ地を探しながらサイクリングすること20㎞。エンセナーダという場所にキャンプ場があったので、キャンプをすることにした。

実はこのキャンプ場、イースター島で出会ったプロカメラマンさんがオススメのキャンプ地で、実際、オソルノ山と湖のロケーションが素晴らしかった。

スーパーに買い出しにいき、パスタにワインでチリ再入国を乾杯!

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2014年1月17日 もう一泊しない?

すっかりこのロケーションが気に入ってしまった僕は、特に急ぐ理由もなかったので、もう一泊することを彩に提案してみる。

このキャンプ場、シャワーあり、WIFIあり、キャンプサイトには電源すらある。部屋とベッドがないことを除けば設備は完璧だ。逆にこのロケーションは部屋付きでは味わえない。早々にもう一泊することを決めて、一日のんびりすることに。

読書をしたり、昼寝をしたり。自転車旅行ってこうあるべきだよなぁ。なんて悠長なことを言って、いちにち好きなことをさせてもらった。
夜はカレーを作ることに。日本から送ってもらったカレールーを使ってスープカレーをつくる。

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(キャンプ場内にさまざまなアトラクションがあっておもしろかった。)

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2014年1月18日 重い腰を上げて・・・

重い腰をあげて、プエルトモンを目指す。プエルトモンまでは70km程度あるのだけど、久しぶりに一気に駆け抜けてしまうことにする。

湖畔沿いの気持ち良い道を走っていく。でもやっぱり湖畔沿い。細かいアップダウンは相変わらず。幸いなことに途中から自転車道が整備されていた。

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(左:湖で洗礼式をやっていた。右:自転車のみと書いてある看板)

話はそれるけど、今までいろんな道を走ってきて、道のランク付けが自分の中でずいぶんハッキリしてきた。
一番良いのが、舗装済みの自転車道。アスファルトも綺麗で凹凸がなければ、路面状況を気にしなくていいので、風景をじっくり楽しめる。
次に嬉しいのが、路肩付き舗装路。実質、自転車道付きと変わらないくらい快適。
路肩なしの舗装路よりも少し良いのが、砂利が無く、地面が固く締まっている綺麗な未舗装路。交通量も少ないことが多くて、舗装路よりも快適だったりすることもある。
そして、路肩なしの舗装路。路肩なしになると、走ることに集中しなくてはならない。転んでしまっては大変。車にももちろん気を取られる。だから結構気疲れする。

さて、そんな自転車道付きの舗装路を走ること5時間。ようやくプエルトモンの町が見えてきた。

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僕たちにとってプエルトモンの町は、ひとつの区切りの町。特に強く意識してきたわけではないけど、アウストラル街道始まりの町、そしてペルー、ボリビア、チリ本土とは違う世界がスタートする町として、意識の中でこの町を境に南北でわけて考えていた。

宿さがしは難航。少なくとも2泊はするので、なるべく安いところに泊まりたいのだけど、例のごとく例のごとし。チリの宿は値段が高い。ほとんど2000円近い値段がする宿もある。ヨーロッパと同じじゃないか・・・と思って不貞腐れながら、今日は10000ペソ(1900円)の宿に泊まることに決めた。

今日の走行距離は久々に70km超え。(最近は一日50kmを越えることが少なかった)ベッドにもぐるとすぐに眠ってしまった。

2014年1月18日 海鮮の街

プエルトモン2日目。今日は彩が好きな海鮮料理を市場に食べに行くことにした。プエルトモンの名物は「クラント」と呼ばれる海鮮のごった煮。貝、魚、牛、鳥やじゃがいもなどがそのまま入っている。海鮮好きの彩がガイドブックをみて「これ食べたい」とリストアップしていた。
自転車で魚市場までいくと、日曜日ということもあって観光客で賑わっていた。大きなタラバガニなども売っていて、意外と活気があった。
早速、2階の食堂街に行って、クラントを注文してみる。食堂はとても狭くて、奥のお客さんが出て行く時は、こちらも席を一度立たなければならないほど。

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しばらく待つとクラントが出てきた。なるほどたしかにごった煮。皿一杯に食材が転がっている。
彩いわく味は「ふつう」とのこと・・・。

僕は、焼き鮭を頼んだ。日本で焼き鮭というと、小さい一切れの切り身が出てくるのをイメージするけど、こちらでは、ドカンとサーモンの4分の1ほどの大きな切身が出てくる。
サーモンは外れが少なく、今回もとても美味しかった。

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さて、食堂街を後にして、アウストラル街道の始点チャイテンまでのフェリーのチケットを取りに行く。元々火曜日発だと聞いていたフェリーだけど、スケジュールが変更されていて、月曜(つまり明日)出発のようだ。
プエルトモン滞在が短くなってしまうけど、一応チケットを入手。

一度宿に戻って準備をしようとすると、なぜか宿が閉まっている。玄関に張り紙があって、「20時までは戻りません。あしからず。」みたいなことが書いてある。
前代未聞、貴重品も置いてある宿に締め出しを食らってしまった。。。
「信じられない」と彩がぶつくさ言っている。
二階の窓が開いていたので、泥棒みたく這い上がろうかと試みかけたけど、危ないのでやめて、仕方なく近くのデパートを見物することに。

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(夜まで締め出しを食らってしまった。宿代払っているのに・・・)

デパートでは、チャイテン以降必要になるであろう食材などを買い込んだ。
ビーニャほどではないけども、ひと通り家電製品、アウトドア用品などは揃いそう。
海岸沿いのデパート地下1階に一件、僕からみても「おお~」思ってしまうほどのアウトドアショップがあった。パタゴニアでアウトドアを楽しみたい人はここを利用するとよいかも。

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(海沿いのデパート、地下通路に店舗があります。オルトリーブの自転車用バッグもあり)

2014年1月19日 いよいよアウストラル街道へ

チャイテンにフェリーで向かう日。
フェリーは夜22時出発のため、日中は時間がある。
朝急いで洗濯屋に洗濯を出し、郵便局へいって、日本宛ての小包を送る。
郵便局で係のおばちゃんにとても良くしてもらった。

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(プエルトモンの郵便局。前回のアルゼンチン郵便局での一件があったので、覚悟を決めて向かったのだけど、あっさり日本に荷物を送ることができました。まったく、アルゼンチンはひどい!)

あとは昨日締め出しを食らった腹いせに宿に居座り、ずっとインターネットで今後の情報収集やら、ブログの更新やら、作業をさせてもらった。

いいよね?昨日5時間締め出されたし。。

夜21時頃、宿を出発し、フェリー乗り場にいく。
フェリー乗り場では、ビーニャ以来、冬樹さん、香織さんに再会。冬樹さんとは、もう5回目くらいの再会だ。フェリーから見たプエルトモンの夜景がとても綺麗だった。

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