なんで自転車旅行を始めたんですか?(前編)

イランのレズヴァンシャヒルにいます。
レズヴァンシャヒルってどこって?僕にもあまり良くわかりません。カスピ海に近い、中規模の町です。
道で出会ったおじさんに、「うちに来い」と言われ、そのままついていってもう2泊。
ホントは先に進みたいのに、そうはさせてくれない。
「ありがた迷惑」なんて日本語を久々に思い出したました。
ちなみにこのおじさん、昨年冬、日本を自転車で走っていたらしく、「日本で好きな場所は?」という質問に、
「柏!」と答えてくれました。「ドウイタシマシテ」と僕達を面白がさせようと連発しているおじさんです。

ペルシャ絨毯の上で特にやることもなく、ぼけーっとすること数時間。
眠くなったら寝て、腹が減ったら食べて、なんて、日本にいたらちょっと考えられない生活ですね。

最近、電子書籍をちょくちょく買っています。日本でも本屋が好きでした。
高校の時、近くにあった駅前のショッピングセンターに入居していた本屋によく入り浸っていたのを思い出します。趣味の雑誌、鉄道や飛行機、車、軍事関係の雑誌を立ち読みしていたかなぁ。なんとなくそんな思い出が。

電子書籍でハマっているのが、池井戸潤さんの本。もちろん半沢直樹の池井戸さんです。
バス移動の際の暇つぶし、なんてスタンスで購読してみたのですが、いやいや爽快で面白い。
半沢直樹なんかは、元銀行員の彩の解説を交えながら読むと、なかなかリアルに感情移入できたりします。

企業小説ばかりですから、自ずと、いまの自分の境遇と比べるわけですね。
日本で働くことってこういうことだったよなぁ。と。
東洋経済とか週刊ダイヤモンドとか、経済雑誌の記事もネットで読んだりするわけです。
エグゼクティブがどうとか、こうとか・・・インセンティブが・・・とか。いや、もう僕にとってはよくわからない世界ですが・・・。

ぼけーっと、石田ゆうすけさん(自転車旅行の紀行文で有名な)の本を読んでいたら、なんで自分は自転車旅行を始めたのかなーっと、今までに何回も考えてきたことを再び思い出し、そして今記事にしています。


強烈だった東金探検隊

小学生の頃(たしか4年生だったか)、今でも実家のある千葉県の片田舎、東金という町から、祖父の家がある東京都大田区の池上まで、一人電車で行ったことがあります。自転車で世界一周なんてことを始めてしまった今となってはとても小さなことですが、当時の少年にとっては、それはそれは緊張した一人旅でした。

『東金探検隊』、今や伝説になってしまった企画がありました。住んでいた東金市が郷土再発見をテーマに、小学生高学年から中学生を集め、リュックサックにテント食料を積み、一日の生活費500円で、山武郡市を練り歩くという企画です。
これは、今でも覚えていますが、結構衝撃的な経験だったんだと思っています。8月、酷暑の中を汗かきながら、重い荷物を背負って歩くわけです。コッヘルとかガンタ飯だとか、ヘッデンだとか、よくわからない謎の用語を覚えたのもこの頃。(コッヘルは鍋、ガンタ飯は水分量を間違えて炊いた硬い飯、ヘッデンはヘッドランプ)
もう20年も前の記憶ですから、風化していることも多いんですが、『ああ、歩いて疲れたらどこにでも泊まっていいんだ』という自由感はこの頃身につけたような気がします。『仲間とともに目的を達成する』という達成感。非日常感。普段スーパーファミコンをやっていた子供からすれば、異次元の体験でした。
僕のアウトドアの原体験は間違いなく、諸事情で潰されてしまった東金探検隊でした。(なので、東金探検隊から自転車世界一周の旅人が生まれたわけです。東金探検隊は再開するべき企画だと思います。>東金市役所の方々)

高校から、僕は合唱の道に邁進してしまうわけですが、実は一度、東金から池上まで126kmを自転車で走る、ということをしたことがあります。なんでそんなことをしたのか良く覚えてないのですが、たしか、夏休みに、自転車いじりをしていて(昔から自転車いじりが好きでした。)、新しいタイヤを履いたのがきっかけになって、「じゃあ走ってみるか」と。

船橋から東京都心を抜けるまで、結構苦労しました。海岸沿いは工業道路ばかりで、息つく間もないほどの交通量。内陸は、無数の交差点に阻まれ、なかなか距離が稼げない。結局到着したのは深夜の2時。
これでも、当時は『え~千葉から東京まで自転車で走ったの?すごい』なんて言われて、調子にのっていたなぁ(苦笑)

そして北海道自転車旅行へ

大学3年生の頃。大学とサークルでは音楽ばかりやっていて、千葉に戻ればバイト。という毎日。
ふと「違うこともやってみたいなぁ」と思ったことがありました。
たまたま妹が大学で自転車サークルに入っていて、楽しそうにしていたので、「じゃあ自転車をやろう」と思ったのも必然だったのかも。
無理くりバイトの休みを捻出して、ひとり北海道に自転車を持って出かけました。
千歳空港から札幌にでて、そこから電車で稚内へ。稚内への道中、旭川でラーメンをたべ、名寄では名寄高校の高校生と語り。『旅先での人との出会いが楽しい。』と思ったのはこの時が初めてでした。
利尻富士に登り、宗谷岬をみて、美瑛、富良野、帯広、釧路、とまわって網走、女満別から羽田に戻った2週間。
「自転車で旅する。ということは、わりと簡単にできる。」
そう思った。今につながる一番直接的なキッカケはこの旅だったのかもしれません。

長くなりすぎたので、後編へ。


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