挫折体験がこころに残ったまま
「思うように自転車旅行ができなかった」という挫折体験は、社会人になったあともチクチクと痛みます。東京・渋谷のとある会社に就職した僕は、厳しい先輩方(今となっては良き思い出です笑)にしごかれながら、自転車旅行のことは忘れ、とりあえず社会人として頑張ろうと日々を過ごします。が、やはり数ヶ月に一回、体が身震いするほど「自転車世界一周がしたい」と思うときがありました。これは何かのキッカケ(たとえば、自転車旅行をしている人のブログや雑誌の記事など)で、急に起こる発作のようなものでした。
自転車旅行をする。ということは、イコール会社を辞めるということと同義だと思っていましたから、「安定した暮らしができなくなる。」とか、ネガティブなことを思い浮かべて我慢することを繰り返していました。
そんな社会人生活も3年目に入った9月。2011年のことです。
前回の旅行で会ったことがある自転車世界一周を達成した旅行者の方と日本で3日間サイクリングする機会がありました。
ちょうどその頃、身の振り方について悩む機会が多く、自転車旅行をしたいという思いが強くなっている頃でした。ほぼ確信犯的に、「会えばきっと自転車旅行に行くと決心してしまう」と思っていつつも、会い、そして長野の山の中のキャンプ場で一晩語り、案の定、「やっぱり行こう」と決心してしまうことになります。
旅に行こうと思ったその具体的な動機
何より、やっぱり「地球の風景をこの目で見たい」と思ったことが一番です。
自転車乗りにとって、風景が美しい場所は数多くありますが、特に南米のアウストラル街道、そして、タジキスタンのパミールハイウェイ、最後にインドのラダックの風景が、どうしても脳裏から離れず、ここを走りたい。という思いが強くあります。
そして、人との出会い、その楽しさを味わいたい。という気持ちももちろんあります。
この特定の道を走るためには、最低でもそれぞれ1ヶ月の期間が必要で、それはすなわち会社を辞める必要がある。ということになります。
明確な目的(この場合、特定の道を走ること)を持たせることで、前回のような挫折を回避して、ここまで旅をしてきました。いま約10ヶ月の旅をしましたが、目的に沿って旅をしているので、充実感を感じています。
妻の存在
旅も10ヶ月が過ぎようとする今、「夫婦で旅を始めたことは本当に良かった。」と心から思います。もちろん意見が合わないこともありますし、それを乗り越えるプロセスも必要です。でも、いつでも話し合える。感動や思いを共有できる、というのは、当たり前のこと見えて、実はとても大事なことだと感じます。それは、もちろん前回一人で旅をしているからこそわかることで、いきなり二人で旅を始めたら、きっとこうは思わなかったでしょう。
何気なく書き始めた「なんで自転車旅行を始めたのか?」
完全に自分の思考回路を整理するために書いたのですが、思いがけず半生を記してしまうことになりました。
いや~お恥ずかしい限りです。が、自分で読み直しても、今回、この旅に至った経緯がよくまとまっているので、備忘録としてこのままにしておきます。
今日はこれから首都テヘランに向かい、インドビザを申請します。
今回の旅で再難関のビザになりそうです。
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