目覚ましは朝4時にセット。夜はとにかく冷えた。温度計はマイナス10℃。マットを半分に折って使っていたら、底冷えがきつく、下半身が寒い。
寝袋は対応温度がマイナス10℃(妻はマイナス16℃の寝袋)だけど、かなり限界に近い。これから先、更に標高が上がったら耐えられるだろうか、とちょっと心配になる。とにかく寒いため、なかなか寝袋から出られない。とりあえず火を起こし、朝ごはんのためにお湯をわかす。朝ごはんはラーメン2袋だけ。食料もふんだんに使うことはできない。
ささっとラーメンを食べ、テントをたたんで7時に出発。程なくして、宝石の道への分岐が現れる。北西に向かっていたハンドルを切り、真南へ転進。いよいよ悪路が始まる。
のっけからいきなりのガレ場。こぶし大、それ以上の岩がゴロゴロ。僕は何とか自転車に乗ったまま前に進めるが、彩は不安定なガレ場が苦手で早速転んでしまった。転んだ衝撃でサイドミラーが割れる。まったく幸先の悪いことで…。
自転車を下りて押すこと1時間ちょっと。後ろから2人のサイクリストが来た。ドイツ人の若者。彼らもこの宝石の道を目指して南下してきたらしい。ちょっとしたあいさつを交わし、お互いの健闘を祈って彼らは先に行った。それから少しして今度はフランス人の若者に抜かされる。やはりこの道はサイクリストにとっては特別な存在だ。
道はしばらくして盆地にでた。盆地は平坦だが、今度はコルゲーションが行く手を阻む。コルゲーションとは、ランクルが高速で走行するときにできる一種の侵食現象で、別名”洗濯板”。細かい砂の波が無数にあり、自転車にとっては大敵だ。彩は慣れない路面に四苦八苦。通過するころにはお昼を過ぎてしまった。
次から次に現れる路面に対応しつつ、15時ころにようやく一つ目の湖、Laguna Canapaに到着。フラミンゴの大群に少しテンションがあがる。
このLaguna Canapaから先がこの日のワースト・ロードコンディション。深砂だ。
簡単に言えば、砂浜で自転車を押す。という感覚。車輪が完全に砂に埋まり、タイヤは回転しない。ほとんど”引きずって”いく感覚。時速は1㎞/h。一時間かかって1㎞くらいしか進めない。(もちろん歩いたほうが早い)。
風も強くなり、簡易風速計の数値は風速15m/sec前後を記録している。そんな感じで4㎞ほど進んだところでこの日はタイムアップ。目標としていたエディオンダ湖には到着できなかった。
風よけになるちょっとした岩の裏にテントを張って就寝。初日にして早速宝石の道から洗礼を受けてしまった。
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