やっとだよ。トルクメニスタンビザ受領(2014年7月13日)
待ちに待ったトルクメニスタンビザの受領。
朝イチで大使館に向かう。思ったほど人が並んでいなかった。
受付の窓が開いたところですかさず申請書を提出する。無事受け取ってもらえた。
「Wait」と言われたので、日陰で座って待つことに。前回の経験があるので、トルクメニスタンビザ受領には時間がかかると予想して、水と食料をたっぷり持ってきた。準備万端である。(ラマダンだけど)
しばらくして「ジャパニーズ」との声がする。窓口に行って、55ドルを支払う。
実のところ、この55ドルというのは1週間のエクスプレスサービス(そもそもそれがよくわからないが)の場合で、僕らの場合、すでに2週間以上待っているので、通常の30ドルでいいはずだけど、ここはおとなしく55ドルを払う。
そしてまた「Wait」
1時間ほど待ってようやくビザが発給された。苦節3週間。
初日は臨時休業で、2日目に申請できたものの、謎の1週間臨時休業があり、結局2週間以上、ほぼ3週間かかってしまった。
恐るべしトルクメニスタンビザ取得。
(ちなみにテヘランのトルクメニスタン大使館が閉まっている場合でも、マシュハドのトルクメニスタン領事館は開いていて、別の日本人サイクリストは申請&受領をマシュハドで行っていた。参考までに。)
トルクメニスタンを取得したので、テヘランにはもう用はない。バスでささっとレズバンシャール(自転車をとめているおじさん家)に戻ろうと思ったのだけど、到着時間が微妙になってしまうので、一旦ホテルに戻ることに。
その後、自転車屋にも行ってみた。ただ、日没直前で時間がなく、お目当てのパーツは探し当てることができなかった。残念。
ほぼ3週間ぶりにおじさんの家へ(2014年7月14日)
さて、6月末に泊めてもらったおじさんの家にようやく戻る。いやー無駄に長かったイラン。
ほぼトルクメニスタンビザ取得のせいなのだけど、とにかく時間を持て余した。おそらく人生で一番時間を持て余した日々だったのかも。
ながーくお世話になったテヘランのマシュハドホテルを昼前にあとにする。
都合2週間近く泊まってしまった。通称「増毛君」こと受付のおっちゃんともすっかり仲良くなってしまったのだけど、今日でお別れ。乗り慣れたテヘラン地下鉄を使って、バスターミナルへ向かう。そしてレズバンシャールへ。
(増毛したり、目の下にあざを作って帰ってきたりと何かと話題だった彼)
バスは8時間ほどでレズバンシャールへ到着。
テヘランは灼熱だったのに、山を越えてカスピ海沿いの出たところからなんと雨。緑が生い茂り、田園風景が広がっている。
イランは灼熱の砂漠地帯、というイメージがあるかもしれないけど、カスピ海沿いは実は日本の風景とほとんど変わらない。
予めGPSでプロットしてあったおじさんの家までタクシーで向かう。そしてひさびさにおじさんと再会。
おじさんの抱擁は力が入りすぎていて、相変わらず痛い(笑)
「もう1週間ここに泊まっていけ!」と相変わらずイラン流の引き止め工作を受けるけど、「いや、ごめんビザが切れる」と、なんとか説得。翌日マシュハドに向かうことを伝える。
夜はひさびさのイラン家庭料理。たっぷり頂いて、テントで就寝。
マシュハドへ向かう(2014年7月15日)
すっかりお世話になってしまったおじさんにお別れを告げ、カスピ海沿いの大都市ラシュトへ向かう。
昨日バスで通った道なので、大部分のイメージは残っている。樹林帯、田園地帯を延々と走り、ラシュトへ到着。
ラシュトの町はかなり大きく、町を迂回する環状線も大混雑。すっかり時間がかかってバスターミナルへ到着。
ちょうどマシュハド行きのバスがでるところだったので、滑り込みセーフで乗せてもらった。
いつもながら自転車積み込み代で揉める。自転車代は全世界どこでも「会社によって料金が決まっている」ということはない。
どこでも運転手の裁量なので、聞く人によってころころ値段が変わる。大体、大人一人分が相場で、今回もそうしてもらった。
バスはボルボ製バス。冷房が強すぎてむしろ寒かった。若者の集団が乗っていて、僕らが日本人だとわかると例のごとく“とにかくかまって欲しい”アピールが始まり、うきゃうきゃ笑っている。
イラン人は確かに親切で勤勉。英語を勉強し、世界情勢も理解している。
ただ、一概に「親切」としてしまうのは間違っているような気がする。
結局出会ったほとんどのイラン人は「相手のことを慮る」ということができない。この“かまってちゃん”の若者も、親切なイラン人も、相手のことを慮らない。
相手がどんな気持ちになるかを考えれられない。「相手のことを考える。」という能力さえ身につければイラン人もワンランクアップできるのに…。
ネゴシエーション!ビザ延長(2014年7月16日)
朝9時頃、無事マシュハドに到着。トルクメニスタンを一緒に走ることにしていた日本人サイクリストの昼間さん、米山夫妻と宿で合流。
世間話もほどほどに、イランビザを延長するために警察に出向くことにする。
(一緒にトルクメニスタンを走ることにした日本人サイクリスト)
イランビザの延長。旅人内でも時々話題にのぼるトピックで、特に自転車旅行者の場合、大抵1ヶ月では足りないため、延長することになる。
ここでちょっとした問題がある。実は、ビザの延長は「ビザが失効する日」にしか延長できないことが多いのだ。(例外もある)
僕たちは、18日にビザが切れるが18日は金曜日なのだ。(金曜はイスラムの休日)話によれば17日木曜日も休みらしい。19日の朝にはマシュハドを出発するため、なんとしてもこの日16日にビザの延長をしておかなければならない。
急ぎタクシーで警察署へ向かう。窓口で「ビザの延長をしにきた」と伝えると、2番目の窓口に行くようにとの指示。
緊張した面持ちで窓口に向かう。僕たちのイランのビザを見て、窓口の係官は、「サンデーにまた来い」と予想通りの対応。
ここで引き下がってしまうと19日朝出発の計画が水の泡になってしまうので、「バイシクルだから、日曜日にはこられないんだよマイフレンド」としつこく交渉。
すると、ついに向こうも折れてくれ、仕方ないから書類を持って事務所の中に入れ、とビザ延長を認めてくれた。中で英語を解する事務員に申込書をペルシャ語で記入してもらい、手数料300,000リアルを至近のメッリー銀行で払う。払込証明書を持って、事務所に戻ると即日でビザ延長の手続きをしてくれた。地球の歩き方には「マシュハドでのビザ延長はオススメできない」なんて書いてあるけど、全く問題なく延長することができた。
聖地マシュハド(2014年7月17日)
午前中、マシュハド中央郵便局に出向き、日本への荷物を送る。1kgほどで630,000リアル。安いのかわからないけど、多分安い。プラスチック製の丈夫なBOXも郵便局内で販売されていて、サイズも自由に選ぶことができた。
宿に戻って、荷物の整理をする。
夜に聖地と呼ばれるイマーム・レザーの廟に行ってみることにする。
彩は黒のチャドルをかぶり、顔以外真っ黒。男性陣も襟付きのシャツと長ズボンをはいて敬意を払う。
入り口で持ち物を預け、ボディチェックを受ける。(ボディチェックは結構しっかり確認される。カメラは持ち込めない。)
さて、イマーム・レザー廟。エスファハーンのエマーム広場やサマルカンドのレギスタン広場、あるいはイスタンブールのブルーモスク、アヤソフィア、いろんなイスラム建築を見てきたけど、正直、イマーム・レザー廟が一番エネルギーを感じた。
実際に現在もシーア派ムスリムの聖地となっていて、この日も大袈裟ではなく5000~10000人以上の信徒が広大な広場で祈りを捧げていた。跪いて頭を垂れる。そんな動作を何千人もの人が同時に行う。コーランがスピーカーから流れる。
ちょっとその場を動けないような宗教的なエネルギーに圧倒されてしまった。
さらに驚いたのは、イマーム・レザーの棺が納められた建物。
クリスタルで覆われた天井や壁は眩いばかりに光煌き、眩しいほど。棺には老若男女、無数のムスリムが一目見ようと、四方から波のように押し寄せ、大混雑。泣きながら棺に触る人もいた。
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