夜は久々に快眠。
でもやっぱり4000m近くでのキャンプは急激に冷え込むもの。
自転車で走っている日中は、ちょっと暑いくらいなのに、陽が落ちたとたん、急激に気温が下がってくる。
ホント、びっくりするほど。
上下ダウンとフリースを着込んで。寝袋もしっかり頭まで覆って眠ったのだけど、足の先はやっぱりちょっと寒かった。今度から靴下も履こう。
テントをたたんで、さぁ出発。
ようやく峠の頂上を越える。標高は約4300m。
ここまで谷沿いをずっと走ってきただけど、峠を越えると急に目の前が開けて、パミール高原が、「どーーん!」と広がっている。この景色が見たくてここまで来たのだ。
空の青さは、貧弱なボキャブラリーでは表現できないほど。「青い」としか表現できない。本当の青、真の青。
とにかく「青」という言葉は、この目の前に広がっている「青」を表すために存在しているとしか思えない。
「空の青さ」。その本当の青さは、やっぱり標高4000m近くにならないと体験できないような気がする。
上り坂に差し掛かると、今まで登ってこれた斜度の坂が登りづらくなってくる。
酸素が足りないのだ。
宝石の道で体験したように、深呼吸をしても10mも走らないうちに、もう肩でゼーゼーいっている。
頭痛も少しづつ始まってきた。
無理をしないように、ゆっくり前に進む。
とにかく、景色が素晴らしくて、いちいち止まっては、写真を撮って。。を繰り返して、なかなか前に進まない。
お昼を過ぎて、しばらく走ると、ワハン回廊への分岐点が見えてきた。
この素晴らしい景色と別れ、ワハン回廊へ向かう。
うーん、ほんとに右折していいものか・・・。真剣に悩んでしまった。
インドビザは申請しているけど、別に受け取らなくてもよい。
ビシュケクで再度申請し直してもいいし、アライバルビザで入国してもいい。
・・・でも、パミールハイウェイでみる景色は、宝石の道でも見てきたし、これからラダックでも見る。
とにかく季節的な問題で、時間がないのだ。
と自分に言い聞かせて、断腸の思いで右折する。
はぁ。もう少し進みたかったかな…。がまんがまん。
ワハン回廊への道は、未舗装でダートが始まる。
他のサイクリストから聞いていたように、深い砂で覆われた道で、懐かしいコルゲーション(洗濯板状の道)も伴っている。
砂地を押すこと1時間。ちょうど時間も19時でタイムアップ。
丘の裏にテントを張って、おやすみなさい。
夜は、近くに集落がないはずなのに、なぜか野犬の群れが現れて、遠吠えのシンフォニーがちょっと恐かった・・・。
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