10日目
Grak Shep(9:00) ~ E.B.C.(11:30) ~ Grak Shep(15:30)
朝、熱はすっかりさがってトレッキングにも行っても問題無さそうな調子だった。けれど、逆にゆうのほうが鼻風がひどくなってしまったようだ。さやさんは少しは良くなったよう。3人とも、いつまでも休んでいるより今日ベースキャンプまでさくっといって(さくっといけるもんでもないけれど)帰ってこようという、意見となった。
昨日、同じ宿に来た日本人カップルと朝挨拶すると、「疲れてあまり眠れなかった」と。そう、やっぱり標高が高いと酸素が薄いため、よく眠れない人がほとんど。それに欧米人も咳き込んでいる人が多いように思える。この状況ではなかなか体調管理が難しい。
3人とも準備をして9時頃出発。宿にザックは置いて、水と行動食くらいの最小限の荷物のみで。
私「昨日より風ないね」
さやさん「きっと神様が私たちの味方をしてくれているんだ!」
間もなく、地面が半透明になった。氷の上だ!ちょっと下が見える…。氷は分厚いので割れることはなさそうだけれど、ツルツルしていて転びそうで慎重に歩く。
その脇のほうで、宿のスタッフらしき人が氷を割って持ち帰っている様子が目に入った。どうやらこれを「水」にしているらしい。そういえば、どの宿でも「チソパニ(冷たい水)」と言えば水がもらえるのだけれど、ここの宿ではその水に不純物が含まれていたのはそういう理由からかも知れない…
ベースキャンプまでの道のりは、岩場が多くベストな道がわかりにくい。私はだいたいハット型の帽子をかぶっていたけれど、寒いと思い最近毛糸の帽子にしていた。しかし、陽射しが強くサングラスをしていても眩しいほどなので、やっぱりつばが付いてるハット型が良かったかもと思った。
今日の最初のほうでは見えなかった、Top Of The World エベレストが顔を出した!!ベースキャンプまであと少し!!
ベースキャンプ到着!!「ついに着たね!!」
たくさんのはためくタルチョが待ってくれていた。
タルチョ、多くの石に人々の名前やらが残されている。もっと広い平らな土地が広がっているのかと思ったけれどそうではなかった。4月~5月、9月~10月のシーズン中に来ればエベレスト登山隊のキャンプも見られるようだ。
「E.B.C.」ここが私たちの今回の旅のクライマックスと言ってもいいかもしれない。それは世界の頂点に一番近づいた瞬間だった。なんとも荒々しい、wideでwildなworldだ。
無事ここまで自分の脚で来ることができて本当に良かった!
私たちは30分くらいここにとどまり、写真を撮ったり眺めたり、E.B.C.を味わっていた。風がだんだん出てきて、立ち止まっていると体が冷えてきてしまうけれど。この場を離れることになったのは、先にこの場を去ったガイドさんが戻ってきて私たちにSOSを求めてきたからだった。
E.B.C.の手前で日本人カップル(同じ宿だったカップル)が体調を崩したところを介抱しているが、彼らは英語がよくわからないらしく、私たちに通訳をしてほしいという趣旨だった。ゆうが先に飛んでいって、さやさんと私はあとから追いかけた。さやさんはその彼女の様子を見てくれたり、介抱してくれたガイドさんや欧米人と話してくれた。さやさんがいて本当に心強かったと私も思ってしまった。幸い、かなり重症というわけではなさそうだけれど、介抱してくれた欧米人(実は有名な登山家らしい)がトランシーバーでヘリをこの場に呼んでくれ、彼らは救助されカトマンズへ向かった。すぐヘリを呼べる人とすれ違い、さやさんがいたり、多少面識のあった私たちもいたり、日本人カップルは不幸中の幸いだったと思う。そして、同じ日本人として登山家一行には感謝の気持が沸き起こった。(あとで彼らから連絡があり、元気に回復したようだった。)
そんなこんながあったけれど、私たちは無事にゴラクシェプまで戻った。しかし、さやさんもゆうも頭痛がひどくなり、かなり疲れも出たようだ。二人の様子もちょっと心配。明日はカラパタールへ行けるかな。
使用金額:12,900ルピー(3泊分精算)
(この記事は、2014年11月27日の出来事です。)
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