ペルー」カテゴリーアーカイブ

アンデスを、越える

10月10日
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朝8時、ドイツ人夫妻と出発するはずだったが、ホテル前で記念写真をとったりしているうちに9時頃になってしまった。ナスカから次の町プキオまでは160kmほど。平地であれば2日もあれば着く距離だが、アンデス山脈が立ちはだかる。事前に調べたところ、最高所は4200m前後。ナスカの標高が600m程度なので、少なくとも3600mは自分の足で登っていかなくてはならない。もちろん僕たちも初めてのこと。まったく検討がつかない。

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スタートから登りは始まり、この日は(当然)登りっぱなし。峠などはなく、渓谷沿いのつづら折りの道を、とにかく登り続ける。すると、急にドイツ人夫妻が親指を立てて、トラックを止めた。何をするのかな。なんて思っていたら、まさかのヒッチハイク!「えー一緒に行くんじゃなかったの??なんて声に出す暇もなく、「See you」と彼らは行ってしまった・・・。

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結局、僕と妻の二人、そして二台の自転車、二人四輪でアンデスを越えることに。まぁ、当初の予定通り・・・。(ちょっとびっくりだったけど)

この日は1770mでキャンプ。

海外での野宿には「人に見つかってはいけない」という約束事がある。
日が傾き始めた頃、ちょうどよい窪地が道路脇にあって、そこにテントを張った。
夜ご飯は、ツナと卵とインスタントラーメン。ちゃんとしたものを作りたいのだけど、この状況では無理。これでも豪華なご飯。美味しかった~。

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アンデスを、越える 2

10月11日

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さてこの日もひたすらゴールの見えない上り坂を登っていく。
ゴールが見えない、というのは精神的にも結構きつい。この日はどう頑張っても4200mには辿りつけない。とにかく淡々と登っていく。

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途中、2400m付近に思いがけず集落があって、商店があった!予想外のことでうれしい。日陰でクラッカーとコーラの昼食をとることができた。

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(ここに住んでいる男の子の写真を撮らせてもらった。精悍な顔つき!)

東京の新橋でOLをしていた妻は、働いていた当時、ランチやディナー、飲み会で、先輩のオススメのご飯やさんなどでそれなりに美味しいものを食べていたはず。それが、今やクラッカーとコーラ。その格差に二人で笑い合いながら、今のこの状況を楽しむ。コーラがあるだけ、クラッカーがあるだけ僕たちは幸せなのだ。

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この日は、頑張って3100mまで登った。1330mのアップ。
良いキャンプ地がなくて焦ったのだけど、なんとか道路から見つからないような場所を見つけ、就寝。


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アンデスを、越える 3

10月12日
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今日はいよいよ4000mを越える。坂もゆるやかになってくるのだけど、酸素が薄いのか、足に力が入らない。全く前に進んでいかない。とにかく苦しい一日だった。
3800mを越えると景色が一変。今まで崖とゴツゴツした岩の大地だったのだけど、草地が一面に広がり、リャマがのどかに草を食べている。いよいよアンデス高原地帯に出たのだ。
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リャマは気持よさそうに、草の大地をのんびりと歩いていく。そんな姿を横目に、アンデスの涼しい風を感じながら、4000mに到達。僕たちは富士山よりも高いところへ、海抜0mから登ってきたのだ。
4000mに小さい小さい集落があって、ポテトフライを注文させてもらった。鱒を揚げた料理(Trucha frita)などもあったのだけど、洗面器に、ひらいた魚をそのまま漬けて置くなど、衛生環境が壮絶に悪く、妻からNG。(僕はちょっと食べてみたかったのだけど。。でもお腹壊すのは確実かな。。)
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この日は、少し下って3950mのアンデス高原にキャンプ。道路から影になっている場所だけど、周囲には何もない。あたり一面の草原、リャマや牛が美味しそうに草をはんでいる。満天の星空というと安っぽい言葉になってしまうけど、夜は混じりけのない澄んだ空から、星が全球に降り注いでいた。


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アンデスを、越えた!

10月13日
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(気温は6℃。3日前のナスカでは40℃近かったのに・・・。朝、水が凍っていた。)

いよいよ4日目、今日は是が非でも町にたどり着きたい。下り坂に備え、自転車のブレーキ系統を再チェック、各ボルトを増し締めし、作動を確認する。
すっかり高度に慣れた体でペダルを踏みこんでいく、最後の坂を越え、11時頃、ようやく最高所4177mに到着。この4日間で一番の眺めが僕たちを迎えてくれる。
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感慨に浸るのもほどほどに、早速下り坂に差し掛かる。崖にはガードレールは一切ない。曲がり角にカーブミラーなんて高尚なものはない。目と耳と感覚と、体中のセンサーを頼りに安全を確認しながら、高低差1000mもの下り坂を下る。つま先や指先を寒さから守るため、冬山登山用のグローブと靴下でガード。フル装備の自転車は、きしみながらもカーブを越えていく。
14時頃、ようやく谷底、3123mにたどり着く。レストランでご飯。牛肉とポテト、野菜を炒めたロモ・サルタードというペルーの定番ランチ。
携帯電話の電波も4日ぶりに拾う。メールのチェックをし、家族に「生きてます」と一報。
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この日は実はここからが正念場。プキオの町にたどり着くには、3550mまで再び登らなくてはならない!テンションだだ下がりの妻をなんとか励まし、プキオの町を目指す。僕たちはだいたい1時間で標高を200~250m上げることができる。日没時間から逆算すると、ほとんど猶予はない。万が一の日没に備えて、初めてテールライトと蛍光ベストを着用した。
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(フジモリ元大統領の長女、ケイコ・フジモリ議員の大統領選挙のため宣伝。これは前回の選挙用のロゴを消し忘れたもの。2016年はホセ・ヤマシロという日系人がまた大統領選挙にでるらしい。。withインディヘナのおばちゃんとあや)

あたりが暗くなり、いよいよヒッチハイクか緊急キャンプか、と悩み始めたころ、ようやくプキオの町が眼下に見えてきた。
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4日間にも渡った、アンデス越え。

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(総上昇量4222m、移動時間22時間、平均速度7.1km/h、走行距離わずか160km)

この旅の一つの試金石。
二人で乗り越えられたような気がします。


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小さな町プキオに3泊も。

10月14日

今日は休養日。
アンデス越えの疲れを癒して、洗濯物を洗って、次の区間の町や高低差などを調べて、スペイン語調べて、ブログを更新して、映像を作って・・・と、休養日のほうが忙しいくらい。やっぱり一日くらいの休みでは、なかなか作業が進んでいかない。自転車旅行もなかなか大変。残業せねば。

昨日の夜泊まった宿は、シャワー・トイレ別、しかも水シャワー。部屋にゴミ箱もなく、なんだか余計に疲れてしまった。
朝、別の宿に移動、ホットシャワーが出るか実際に部屋を見せてもらって、決定。ちょっと高くて50ソル。
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この町は、各地へ向かうトラックの分岐点で、宿がとにかく多い。慎重に選ばないと大変かも。2泊目のホテルは、HOSTAL LOS ANDESというところ、開放的な中庭があって、オススメ。
町の中心にある大聖堂に一番近いホテル(大抵もっとも格式がある、はず)のおばちゃんが、「プキオにはWIFIはない」と言ってたけど、インターネット回線はあるのだから、ホテルでもWIFIを売りにすれば、もっと人が集まるのになぁ。と、ぼそり。

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プキオの宿情報:HOSTAL LOS ANDES
ツイン:50ソレス/ホットシャワーあり/WIFIなし
アルマス広場から南へ徒歩1分


10月15日
休息日を一日挟んで、次の町へ向かうことに。
アンデス越えを頑張った妻へのご褒美、というわけではないけど、今後の旅のスケジュールも考えて、クスコまで一気にバスで行ってしまうことにした。

朝、バスターミナルへ行くと、今日の便は夜の11時しかないという。しかたなく、町外れに行って、車をヒッチハイクすることにした。
ヒッチハイクをしていると、そばにいたおじさんが「俺はバスの運転手だから、夕方6時頃にここで待っていれば、乗せてやる。」と話しかけてきた。少し悩んだけど、それならということで、近くの食堂で時間を潰して待つことに。本を読んだり、日記を文字に起こしたり、動画を編集したり、子どもたちと遊んだり。
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(子どもたちに紙飛行機を作ってプレゼント。真ん中の赤い男の子はいろいろ質問してくれて賢そうな子だった。)

そんなこんなで、夕方6時。。。

待てど暮らせど、おじさんのバスは来ない…。

しかたなくバスターミナルへ行って、夜11時のバスを予約しようとすると、今日はもう一杯だそう。
もう、しょうがないので、明日朝一、5時のバスを予約して、荷物と袋につめた自転車を預け、バスターミナル目の前の宿に泊まることに。思いがけず何もない町プキオに3泊もしてしまった…。
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インカ帝国の首都、クスコへ

10月16日

朝、4時に起床。バスターミナルへ行く。さすがに開いていないので、目の前の歩道で待つことに。
標高3300mの早朝は冷える…。

朝5時、約束の時間になったけどバスはこない。。えー、また騙されたのかな。なんて思っていると、昨日のバスチケットを売ってくれたおじさんが登場。
「5時だけどバスこないよ。」と聞くと、「6時にくる」そうだ。。
もう全く信用してないけど、とりあえず何もできないので、待つことに。
次はいつご飯が食べられるかわからないので、近くの屋台でサンドイッチとキヌアのスープを買った。

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(小さな屋台でサンドイッチやジュースを売っている。)


約束の6時。もちろんバスは来ない。もう笑うしかない。あはは…。

もうめんどくさいけど、一応おじさんに聞くと「7時にくる」とのこと。(「いやいや昨日5時と紙に書いてよこしただろう」)と心の中で思うも、どうしようもないので、またもや待つことに。

7時ちょっと前、ようやくバスが来た。トランクルームに自転車と荷物を積み込み、さて出発。ペルーでは、いや南米では、バスの時刻はプラスマイナス2時間くらいの余裕をみたほうが良いと知る。


バスは標高をどんどん上げ、4500mのアンデス高原を進む。
数百頭のアルパカが草原を埋め尽くしていた。いやーここ自転車で走りたかったな…。ちょっと残念

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この旅で一番の景色を車窓から眺めつつ、バスは谷底へ下っていく。

10時間後、夜7時、ようやくクスコの夜景が見えてきた。
素晴らしい夜景のインカ帝国首都・クスコ。

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バスを降り、自転車を組み立てて、広場のそばにある宿へ向かう。自転車を担いで階段を登り、ようやく投宿。クスコは坂と階段の町。もう疲れてしまった…。


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クスコよいとこ

10月17日

ドタバタだった昨日。
朝はのんびり起きて、朝ごはんをいただく。この宿Casa del Inkaはホットケーキと飲み物の朝食がついて一人25ソレス。
朝食をいただいたテラスは、クスコの町並みが一望できる。この眺望だけで、この宿を選ぶ価値はあるほど素晴らしいもの。
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クスコの町を漫ろ歩く、ヨーロッパの香りを感じる町並み、インカの”剃刀の刃も通さない”という石積み。ほんのちょっと歩くだけで、すっかりこの街の虜になってしまったみたい。
お昼ごはんは、クスコの日本食レストランきんたろうへ。久々の日本食に舌鼓、いやー美味しかった!
麦茶が無料で何杯も飲めるし、ご飯も甘みがあって艶々。クスコの魅力(いや日本食か、その両方か)に完全にやられてしまった。

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10月18日

もともと明日(19日)にマチュピチュへ向かおうとしていたが、リマで知り合った日本人旅行者と一緒に行くため、明後日のバスチケットに変更。旅は道連れ。多いほうが楽しいのです!
やることが無くなってしまったので、カテドラルやインカ博物館など、クスコの名所を観光することに。

カテドラルは立派なもの、昔訪れたバチカンのサン・ピエトロ大聖堂には劣るけども、荘厳で素晴らしかった。
インカ帝国の首都にスペイン・カトリックの大聖堂。歴史に思いを馳せながら、町を歩く。ひさびさにスターバックスコーヒーに入って、ドリップコーヒーを飲んだ。一大観光地、クスコには日本人も欧米人もたくさん(僕らもその一人)。マックもケンタもスタバもある。さすが。
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お昼に韓国料理屋に入ってビビンバを食べた。韓国人が経営しているだけあって、本格的。ちょっと高かったけど、おいしかった。


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